こんにちは!ずいぶんご無沙汰しているピスケスです。
こんな突発的にブログを書いても、もはや定期的に読んで下さっている読者さんはいらっしゃらないと思いますが、占星術の勉強は細々と続けておりますので、たまに個人鑑定を引き受けた際にはブログに掲載させて頂きます(‘ω’)
今日は、「うお座土星」を持つHさんのホロスコープを見ました。
うお座土星のもつ試練とは
生年月日1965/11/7 女性 太陽星座さそり座 出生時刻不明
パッと見て目立ったのはうお座にある土星♄。それからすぐ隣に位置する小惑星キロンがさそり座太陽と120度で調和関係にあることです。土星♄はいて座にあるドラゴンテイルと90度の不調和の関係にあります。
太陽☉は、誤差5度で海王星♆とコンジャンクション(0度)、また、いて座のドラゴンテイルは誤差2度で水星☿とコンジャンクションを形成していますので、キロンは太陽☉、海王星♆の2天体と120度、土星♄はドラゴンテイル、水星☿と90度の角度でアスペクトを形成しているとここでは考えます(ドラゴンテイルは太陽と月の軌道が交わるポイントのことですので天体ではありませんでしたね!)。
小惑星キロン ……自覚があるないに関わらず、過去に受けた魂の奥底にある深い傷。トラウマ。過去とは、幼少期だけでなく過去世も意味する。
ドラゴンテイル ……過去の記憶。前世において得意だったこと。
キロンは2ハウスに位置しています。調和関係にある太陽☉は10ハウスにあります。これは良い意味においてはHさんが過去の経験を自分の武器として、長い間、主に家庭内で家長のような役目を存分に発揮しているとみて良いのではないでしょうか。
家長といえば、もちろん字の如く、一家の長、あるじですね。社会的にはリーダー、もしくはそれに匹敵する立場の方です。
2ハウスは「所有する、与えられる」などの意味があり、この世に生まれてきてまず身体を与えられるのはもちろんのこと、姓名を与えられますね。そして親や居住する家を与えられますね。持って生まれた才能、特技、個性などを遺伝によって与えられますね。他には財産、家庭内における居場所なども与えられますね。
2ハウスでの「所有」はあくまでも、自分の力で獲得したものというよりは、生まれながらにして自然に与えられたものを所有する、というのがポイントです。
Hさんは、知ってか知らずか、いつのまにやら「家を支える力」ですとか「財産を与えられる」という使命をご両親から譲り受けているようです。更に、キロンが水星とも良い角度を形成していることも考えると、非常に賢く、頭が切れます。水星は「知性」を与えてくれる天体だからです。自然に与えられたということを考えると、Hさんのご両親、そのまた祖先の方が頭脳明晰だった可能性があります。
ただし、これはキロンがドラゴンテイルと120度という吉角を形成しているため、良い意味での解釈をしています。
本来、キロンという小惑星は「過去の癒えない傷」を表す星ですので、ご自身が生まれながらにして、自分の意思に反して与えられたもの(少し言葉が乱暴ですが、生まれてすぐに自我が芽生えないうちに与えられたものは選択権がないのでこう表現しました)のせいで、自分の生きたいようには生きられなかった可能性もなくはありません。例えば、「家長」という能力が最初からなければ両親にごくごく自然に甘えることができたものを、無意識のうちに(自分はしっかりしなければ)との思いから、幼少期から甘えるそぶりを見せることができなかったり。
また、水星の知性は生きていく上で非常に大きな力となるものですが、考えが及びすぎるせいで用心深くなり、それが行動力の低下につながったり、周囲の人から神経質、細かい等のレッテルを貼られることもあります。
もし、このホロスコープに表れているように、Hさんが優秀なご両親のもとに生まれ、育てられていたとしたら、ご自分の「家長」的な才能はおのずと開花したことでしょう。
しかし、純粋にそれを自分の武器や長所としてとらえることができなかったのではないでしょうか。そもそも、その能力に無自覚であるばかりか、(そんなことが私の長所?)と思われるかもしれませんね。というのも、キロンと同じうお座に位置する土星♄がHさんの役どころや長所を伸ばすということにブレーキをかける役割があるからです。この土星の働きがゆえに、本来は女性的なごく当たり前の夢や理想を幼少期には胸に抱いていたけれど、現実的な知性が邪魔をして空想にふけることを自分に許さなかったり、自分の中に持つ高い理想を追求したいという夢が、もしかしたら叶うかもしれないのに、夢は夢、現実は違うと思い込み、はなから諦めてしまったり。
また、その逆もあります。現実的に難しい問題に直面した時に本来はどんな出来事に対しても毅然とした態度で臨み、乗り越えることのできる能力を持っているはずなのに、(こんな自分では到底無理だ)と妙にしおらしく落ち込んでしまったり。
そうしたことから、いまいちご自身の能力の高さに対して自覚が伴わなかったのではないかと考えます。だってそうでしょう、理想を夢見てとことん追求すればきっと太陽☉とコンジャンクションとなっている海王星♆が後押ししてくれるはずなのに、急に現実的に慎重になってブレーキがかかったり、逆に現実的に仕事をバリバリこなしているさなかに時々、(私の人生って働きづめで終わるの?)と魔が差すように空想が芽生え意気消沈すれば、それはそれで徹底してキャリアウーマンになるのは難しくなります。そうなってしまうことにより結果が出なければ、自信につながらないからです。
この相反する性質の矛盾が、Hさんの自己評価に低さにつながっている恐れがあります。
現実的な世界において家庭内の問題や仕事上の業務、恋愛も含んだ人間関係において、まるで日々のタスクを消去するようにテキパキとこなしていく自分と、ふと理想を夢見て急に感情的になり、うまくいかないと思い込み、自分自身の人生がとても難しく感じられたりすることがこれまでになかったでしょうか。
もちろん、そのような感情の揺れ動きは誰しもあります。しかし、それでも多くの人はどこかで妥協点を見つけて着地したり、自分の人生こんなもんか、と思いながらもそれなりに幸せを見つけていくものです。ただHさんの天体の位置関係からすると、自分自身の中にあるこの矛盾に対し、無理矢理に解を出すということはなく、こうした長期的な問題は答えが出るまではほおっておいて、毎日のタスクを優先的に消去してこられたのではないでしょうか。
そうした生き方を意識的に選んでこられたとすれば、それはHさんがこれまで忙しかったせいかもしれません。ですが、もしかしたら自分の本当に叶えたい夢を見ること、それこそ夢を現実化することこそが本当の幸せなのだ、ということにあえて向き合おうとしなかった、ということはないですか?
土星は本来の能力を発揮させるためにあえて制限をかける
Hさんの太陽☉が入っている10ハウスは主に「父親」を意味します。ここに太陽があり、キロンと120度の吉角を形成しているため、私はHさんが家庭内においても社会的な立場においても、「縁の下の力持ち」となる大黒柱的な能力を生れながらにして持っていると解釈しました。
一方、10ハウスの対角線上にあるのは4ハウスです。この部屋は主に「母親」を意味します。Hさんのホロスコープでは4ハウスにドラゴンヘッドが入っています。
ドラゴンヘッドとドラゴンテイルは必ず対角線となります。
ドラゴンヘッド ……未来を表す。これから経験したいと思っていること。やってみたことがないので苦手意識を持っていること。
Hさんにとって、夢を見たり空想にふけったり、将来の自分の姿を思い描くことは本来ならばごく自然に行ってよいものですが、うお座のその特性に対し、土星が罪悪感を持たせます。
夢を現実化することを、非常に困難なことだと思い込ませたりします。
また、ドラゴンヘッドは今世で挑戦してみたいこと、まだやったことがないから経験してみたいことを表していたりしますので、母親的な役割はやったことがない。本当はやってみたいけれど、恐れや苦手意識を持ってしまうためにあえてやろうとしなかったりします。
どうも私にはこの2つの要素、うお座に位置する土星と、4ハウスに位置するドラゴンヘッドがHさんの今生における大きなキーであるような気がしてなりません。
これが残りの半生、本当に望む未来に向かう扉への鍵となりそうです。
ただ、今、もしもHさんが現状に満足していて、とても穏やかな毎日を暮らしているならば、これまでに制限をかけられていたこの分野にあえて取り組む必要はありません。
1965年生まれのHさんですから、はっきり言ってしまいますが人生の折り返しは過ぎています。
これまでにも、本当の自分自身であることの難しさ、自分の中に深い傷が存在していることは受け入れつつ、それでも何とか自分を統合させながら頑張って生きてこられたに違いないからです。
その生き方は最も自分の誇れる勲章です。これまでの自分の選択に自信を持ち、どうぞ胸を張って下さい。私のような若輩がHさんにアドバイスすること等おこがましくてできません。
ですがもし、自分の中にまだ何かやり残していることがあるような気がするなら、星の声に耳を傾けて欲しいのです。
ここからは、私の声ではなく、星からのアドバイスです。
周りから差し伸べられた手を遠慮なくつかみましょう
「自分がなんとなくできるから」無理してやってきたことはありませんか?
「頼まれるととても大変なのに」責任感の強さから一手に引き受けたことはありませんか?
それはあなたがそのことに対処できる才能を持っているからです。乗り越えることのできた自分自身に感謝しましょう。
これまでに、数々の犠牲的な選択をしてきたかもしれません。ですが、自らが進んでそのような選択を取ってきたと気づいていることが大事です。
犠牲的な選択は、あなたが極めて高い奉仕の精神があるためであり、自分自身の能力は隠しても、他人の能力を引き出し、自信を高めさせる選択を取ります。
そんな「縁の下の力持ち」「大黒柱」のようなあなたが、苦手と感じていることは「甘えること」ではありませんか?
「良き父親」とは辛いことがあっても一人耐え忍び、家族の前で弱音は吐きません。困難の全てを自分一人で抱え込み、人知れず泣いています。
あなたのお父さんはそのような方ではありませんか?そんなお父さんを見て、あなたは育ち、その姿を自分の肥やしとして半生を生きてこられませんでしたか?あなたはきっと、お父さんと生き写しのようなところがあるはずです。あなたはとてもお父さんを尊敬しているに違いありません。
しかし、お父さんを手本にするカリキュラムはもう終わりました。そのカリキュラムは無事に単位が取れたということです。
あなたに残された課題は、次はあなたのお母さんのように生きることです。
あなたのお母さんはどんな方ですか?あなたのお母さんはあなたがまさに苦手とするものを持っていて、お父さんとは真逆の人ではありませんか?
あなたが、真に手本とするべきはあなたのお母さんです。
お母さんは人に甘えるのが上手で、人を使うのが上手ではありませんか?それも全く憎まれずに。
お母さんはすぐに弱音を吐きませんか?できないことはできないと、自分の弱さを素直にさらけ出せる人ではありませんか?
それこそがまさにあなたに足りないものです。あなたが持っていないものを、お母さんは全て持っています。
お母さんのように生きることが、あなたがこれから克服しなければならないことです。
占星術においては、自分の苦手とすることや、これまでに避けて通ってきたことなどを意識して行動することにより人生が拡大、発展するといわれています。
Hさんの場合、5ハウスに木星♃が入っており、木星は「発展、拡大」の意味を持ちます。
5ハウスは「恋愛、レジャー、クリエイティブ」などを意味する部屋です。
木星の持つ力は、土星の制限が終わることにより発揮されるといわれています。土星の制限と試練を終わらせるには、これまでやってこなかったことにチャレンジすることです。
もしあなたが、これまで家庭内においても社会においてもまるで父親のように周囲を支え、人に甘えることをしてこなかったならば、これからは少し肩の力を抜き、できないことは周りの人にやってもらいましょう。
もしもあなたのそばにいる誰かが、手を差し伸べてくれたならば、遠慮なくその手をつかみましょう。
あなたに甘えてもらうことを待っている人がいます。もしも今、思い当たる人がいないとしても、あなたが心から救いを望めばいつかきっと現れます。心からより良い未来を空想しましょう。これまでとは全く違う未来を想像するのです。
存分に甘える自分を想像してみて下さい。そうすることで木星が動き始め、残りの人生で親しい友人や家族に囲まれ、物質的にも精神的にも恵まれたものになることは約束されているようですよ。
どうぞこれからは、お母さんを手本として、人生の師として生きて下さい。それをあなたのお父さんも望んでいます。
そうすることで残りの人生がより一層豊かに、広がってゆくでしょう。
Hさんへ
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
ピスケス
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